田中教育長

平成29年度のスタートにあたって  平成29年4月3日

ようやく暖かくなってきました。希望の春、先生方には、笑顔で、やる気と希望を持って藤岡教育の推進にご尽力いただきたいと思います。
  藤岡市では、平成26年度から連携型小中一貫校として小野小学校と小野中学校を指定し、3年間の実践推進校として小中一貫教育を推進してきました。一昨年度からは、その成果を基に、五つの中学校区でそれぞれ小中一貫教育を推進してきました。
  藤岡市の目指している小中一貫教育は、学びの連続性を明確にした指導と生徒指導の継続による学力の向上です。連携型という事で、学校はそれぞれの場所にありますが、かねてより盛んに進めてきた小中連携の上に立ち、目指す子供像を共有し、9年間を通じたカリキュラムに基づく教育を行います。もちろん今年度も、この小中一貫教育は、全市的に取り組んでいきます。したがって、まず皆さんは、それぞれの校区を確認してください。また、学校と同じように校区を一つのまとまりと捉え、その一員として連携協力のもとに仕事を進めてほしいと思います。つまり、そのまとまりごとに、それぞれの立場で小中一貫教育の推進に主体的に関わっていくことになります。
  そこで、校長先生には、最初の職員会議において、職員に今年度の小中一貫教育の基本的な考え方や具体的な推進について十分、方針を示してほしいと思います。また、入学式や始業式においても、児童生徒はもちろん保護者や地域に理解を求める上でも、触れてもらえるとありがたい。ある小学校卒業式の校長式辞で、連携型小中一貫校なので、何も心配することなく中学校へ進んでほしいとの話がありましたが、藤岡市の小中一貫教育もここまできたかと感慨深いものがありました。
  さて、カリキュラムについては、まず系統表の作成をしてもらいました。校区ごとに小中学校の先生方が協力し、教科部会を開く中で、各地区の児童生徒の課題を踏まえながら、年間指導計画を基に学びの連続性を考え、より効果的な学習のための系統表を作成しました。
  このカリキュラムに基づく教育により、小学校間の歩調がそろい、小中学校の学びのつながりがスムーズになりました。これまで、学校の組織は、学年部会が中心でしたが、学びの連続性を考えるには、教科部会が重要です。こうしたことで、今まで以上に各教科の指導法について議論が深まりました。また、小中学校の教師がお互いのシステムや文化を学び、取り入れたことは、日頃の効果的な教科指導や生徒指導に大いに役立ちました。
  事務職の皆さんは、以前より組織的に仕事を進めてもらっていますが、養護教諭や学校栄養職員の皆さんも学校間の連携や9年間を見通した児童生徒への関わりをお願いします。
  また、本市の考える生徒指導の継続については、意欲を高める指導の継続ととらえています。したがって、「よさを認め、ほめ、伸ばす」ことを基本に、生徒指導の3機能である「自己決定、自己存在感、共感的人間関係」に関わる指導を9年間行うことで、やる気を育てています。どんな場面で自己決定の場を設定するかなど、生徒指導の継続を考える上でも、系統表の活用が欠かせません。
  年度末の学力テストの結果をここ数年で比較すると、着実に学力の伸びが確認できます。特に中学生の力が伸びてきたことは、学びの連続性を意識した指導と生徒指導の継続の成果が表れてきたことと考えています。また、小学校においては、高学年における教科担任制の成果が結果として表れています。
  小中一貫教育を進める上で、校区内の学校が結びつくという事は、学年部会や教科部会などの組織が大きくなるという面もあります。したがって校内研修やカリキュラムの作成を進める上で、効率的に行えることも分かってきました。今後も更なる業務改善につながることを期待しています。
  これからは、各中学校区で作成した系統表をさらに活用していくことが大切です。例えば、指導案を作成する時、前の学習と本時をスムーズにつなげるための教材、いわゆる「つなぎ教材」を作る時、「これまで、ここでは、このあとは」を明らかにした授業を行う時、授業において学びをつなぐ声掛けの時、授業に生きる予習のポイントを説明する時など、「学びの連続性と生徒指導の継続」を明確にした指導を展開するための活用方法を、先生方と一緒に具体的に考えていきたいと思っています。
  次に、藤岡市の教育の二つ目の柱ですが、地域との連携の強化です。具体的には、地域人材の活用、地域を教材とした学習の充実、地域と連携した教育活動の充実、地域行事への参加、地域への情報発信と地域の声の収集などです。
  もともと藤岡市ではどの学校も、地域と深く関わり合いながら、教育を進めてきました。このところ、高山社学、ふるさと藤岡郷土研究と理科自由研究の発表会である藤岡教育フェスタ、職場体験学習のチャレンジウィーク、いじめ問題解決に向けた取組などについて、地域と深く関わりながら進めています。
  この考えは、「すべての学校が、地域の人々と目標を共有した上で、地域と一体となって子供たちを育む『地域とともにある学校』を目指す」というコミュニティ・スクールにつながるものです。そこでまずは、昨年に引き続き、小中一貫教育や地域連携の強化について、地域に説明し、理解してもらう事が重要です。そうした上に立って、学校が中心となって行う学力の向上と地域が中心となって行う健全育成を一体的にとらえ、お互いに連携協力する中で、それぞれの働きをより効果的に機能させ、所期の目標を達成していければと考えています。
  以上の二つの柱で、「知・徳・体の調和のとれた人間形成を目指す学校教育を推進」し、「笑顔、やる気、希望に満ちた子どもたち」を育てていきましょう。
  教職は子供一人一人の人生を決定する可能性のある崇高な営みです。子供たち一人一人が自分は多くの人から愛されているということを知れば、必ず笑顔とやる気と希望へとつながります。それが教育の原点だと思っています。学校のすべての教職員がつながりを大切にし、笑顔とやる気と希望をいっぱいにして、子供たちとともに充実した学校生活を送ってほしいと思います。
  おわりになりますが、ここにいる皆さんは、今日から新しい職場となります。通勤もなれない道かと思います。健康や交通事故にくれぐれも気を付けて職務を遂行することをお願いして訓示といたします。



 平成29年4月3日

藤岡市教育委員会教育長  田中 政文