田中教育長

平成31年度のスタートにあたって  平成31年4月1日


 藤岡市は、笑顔とやる気そして希望に満ちた児童生徒の育成を合言葉に、知・徳・体の調和のとれた人間形成を目指す学校教育を推進しています。そのための方策として、コミュニティ・スクールの推進を基盤とする小中一貫教育に取り組んでいます.
コミュニティ・スクールとは、学校運営協議会を設置している学校のことです。藤岡市では、中学校区ごとに連携型小中一貫校として一つの学校運営協議会を設置します。この協議会では、小中一貫教育の推進についての理解と承認、学力向上や学校課題解決に向けた話し合い(熟議)などを行います。つまり学校運営に関して、計画、評価、改善などに辛口の応援団として深く関わることになります。今後は、評価部、広報部、連携推進部を設け、組織的な取組をしてほしいと考えています。
この学校運営協議会が特に注視していく取組が小中一貫教育です。これは、これまで長く行ってきた小中連携を基にさらに進めた取組です。小中学校が目指す児童生徒像を共有し、9年間を通じたカリキュラムを作成し、それを基に行う系統的な教育です。しかし、特別なことをするのではありません。あくまでも授業がこの小中一貫教育の中心です。学びの連続性と生徒指導の継続を授業に取り入れた指導を、9年間、一貫してやっていこうというものです。
そこで、校長先生にお願いです。最初の職員会議、学校運営協議会、PTA総会等において、今年度の小中一貫教育について、誰からも分かりやすい検証可能な目指す児童生徒像や9年間を通じた系統的な教育課程を示してほしいと思います。また、入学式や始業式においても、児童生徒に具体的にこのような授業をして、こうした力をつけてもらいたいということを話してください。副校長・教頭先生についても、校長先生とともに、積極的に方針決定に関わるとともに、学校間の調整をよろしくお願いしたいと思います。
次に、先生方にお願いです。小中一貫教育の基本は授業です。授業中、児童生徒が既習事項を基に課題を解決することで主体的な学習を実現し、より確かな学力を育んでいこうというものです。この既習事項を使うところで教師がつなぎ教材などを使ってヒントを出すことが、この教育のポイントです。また、生徒指導では自己決定、自己存在感、共感的人間関係に係る3つの機能に着目し、児童生徒のやる気を育て、主体的な学びにつなげます。こうした実践を、組織的・継続的に行うために、今年度も 連携型小中一貫校としての研修や教科部会が重要です。昨年度までも、小中一体となった教科部会が開催され、つなぎ教材を活用した各教科の指導法等について議論を深めてきました。学びのつながりと生徒指導の継続を取り入れた授業のスタンダードができつつあります。これを基に誰もがいつでも継続的に実践してほしいと思います。
事務職の皆さんには、以前より校区ごとのグループで組織的に仕事を進めてもらっていますが、養護教諭、栄養職員の皆さんも学校間の連携や9年間を見通した児童生徒への関わりをお願いします。今藤岡では、こうした学校にいるすべての教職員が、小中一貫教育やコミュニティ・スクールについて、それぞれの立場で積極的に関わろうとしてもらっています。このことに感謝するとともに、今後も引き続き、チーム一体となった取組をお願いしたいと思います。
なお、コミュニティ・スクールと小中一貫教育は極めて親和性の高い取組です。地域という空間的なつながりと9年間という時間的なつながりを大切にして児童生徒を育てたいという願いがあります。コミュニティ・スクールは、体制づくりであり、小中一貫教育は、その中で行われる教育そのものと考えています。
コミュニティ・スクールと深く関わって地域学校協働本部があります。これは、学校運営協議会が計画、評価、改善を主に受け持つとすれば、地域学校協働本部は、実際の活動を受け持つ組織ということになります。これまでも、各学校において、読み聞かせボランティアをはじめ、地域での児童生徒の見守りのボランティア、職場体験学習の受け入れ先など、様々な協力をお願いしてきました。これら児童生徒に関わる全ての方々が、この地域学校協働本部の一員です。こうした方々の地域学校協働活動を「学年学級経営・教科指導・読書」「キャリア教育」「安全教育」「郷土学習・地域との交流」というグループに分け、それぞれの位置付けや役割を明確にすることで、ボランティアの方々に協働の意識を高めてもらい、やりがいにつなげていきたいと考えています。
このようにこれからは、学校に関わるすべての人が、当事者意識をもって児童生徒と関わっていくということが大切です。しかし、この支援から協働へということは、学校からはなかなか言いづらい部分でもありますので、教育委員会から積極的に発信していきたいと思っています。
コミュニティ・スクールや小中一貫教育における授業づくり等について、市教委がこれまでリーフレットや参考書を作ってきました。「藤岡市の小中一貫教育」「藤岡市小中一貫教育 学習系統表」「藤岡市小中一貫教育 授業実践事例集」「藤岡市コミュニティ・スクール実践事例集」などです。新年度に向けても新しいものを作り年度当初に配布しますので、活用してください。これらは、先生方の素晴らしい実践をまとめたもので、これを読めばすべてわかるという内容になっています。こうした先生方のアイデアが基になりさらに効果的な指導が展開されることを望みます。今年度も連携型小中一貫校として、校内研修や教科部会が行われ、組織的に授業改善が進むことを願っています。
小中一貫教育を進める上で、校区内の学校が結びつくという事は、学年部会や教科部会などの組織が大きくなるという面もあります。したがって校内研修やカリキュラムの作成を進める上で、効率的に行えることも分かってきました。今後も更なる業務改善につながることを期待しています。
終わりになりますが、教職は児童生徒一人一人の人生を決定する可能性のある崇高な営みです。児童生徒一人一人が自分は多くの人から愛されているということを知れば、必ず笑顔とやる気と希望へとつながります。それが教育の原点だと思っています。学校のすべての教職員がつながりを大切にし、笑顔とやる気と希望をいっぱいにして、児童生徒とともに充実した学校生活を送ってほしいと思います。ここにいる皆さんは、今日から新しい職場となります。通勤もなれない道かと思います。健康や交通事故にくれぐれも気を付けて職務を遂行することをお願いして訓辞といたします。

平成31年4月1日

藤岡市教育委員会教育長  田中 政文