田中教育長

平成30年度のスタートにあたって  平成30年4月2日


 藤岡市は、笑顔とやる気そして希望に満ちた子供たちの育成を合言葉に、知・徳・体の調和のとれた人間形成を目指す学校教育を推進しています。そのための方策として、小中一貫教育に取り組んでいます。これは、教育における継続性・安定性を保証し、9年間を見据えて子供を育てるものです。しかし、特別なことをするのではありません。あくまでも授業がこの小中一貫教育の中心です。
 藤岡市の目指している小中一貫教育は、学びの連続性を明確にした指導と生徒指導の継続による学力の向上です。連携型ということで、学校はそれぞれの場所にありますが、かねてより盛んに進めてきた小中連携の上に立ち、目指す子供像を共有し、9年間を通じたカリキュラムに基づく教育を行います。そこで皆さんは、それぞれの校区を確認してください。中学校区を一つの学校、連携型小中一貫校と捉え、その一員として連携・協力のもとに仕事を進めてほしいと思います。つまり、そのまとまりごとに、それぞれの立場で小中一貫教育の推進に主体的に関わっていくことになります。
 事務職の皆さんは、以前より校区ごとのグループで組織的に仕事を進めてもらっていますが、養護教諭の皆さんも学校間の連携や9年間を見通した児童生徒への関わりをお願いします。今藤岡では、こうした学校にいるすべての教職員が、小中一貫教育やコミュニティ・スクールについて、それぞれの立場で積極的に関わろうとしてもらっていることに感謝するとともに、今後も引き続き、チーム一体となった取り組みをお願いしたいと思います。
 そこで、校長先生には、最初の職員会議において、職員に今年度の小中一貫教育の基本的な考え方や具体的な推進について十分、方針を示してほしいと思います。また、入学式や始業式においても、児童生徒はもちろん保護者や地域に理解を求める上でも、触れてもらえるとありがたいと思います。ある中学校の卒業式の生徒の答辞の中で「僕たちは小中一貫校の第一期生として過ごしました」という言葉がありました。また、小学校卒業式の校長式辞でも、「連携型小中一貫校なので、何も心配することなく中学校へ進んでほしい」との話がありましたが、藤岡市の小中一貫教育もここまできたかと感慨深いものがあります。
 先生方には、中学校区ごとに学習指導系統表の作成をしてもらいましたが、今年度は、これまで各中学校区、教科部会、教育研究所等で作成したものをまとめて冊子にしたので、十分活用するとともに、これを基にさらに使いやすいものに改善してほしいと思います。
 この系統表を活用して、学びの連続性を踏まえた指導を組織的に、継続していくには、教科部会が重要です。昨年度までも、小中一体となった教科部会が開催され、つなぎ教材を活用した各教科の指導法等について議論が深まりました。また、小中学校の教師がお互いのシステムや文化を学び、取り入れたことは、日頃の効果的な教科指導や生徒指導に大いに役立ちました。こうした実践を小中一貫教育授業実践事例集として冊子にまとめました。この事例集には、先生方の小中一貫教育の本質を理解した素晴らしい実践がまとめられています。これを見るたびに児童生徒の輝く瞳が思い起こされます。こうした先生方のアイデアが基になりさらに効果的な指導が展開されることを望みます。今年度も校内研修と関連して大いに教科部会が機能し、組織的に授業改善が進むことを願っています。
 また、本市の考える生徒指導の継続については、意欲を高める指導の継続ととらえています。したがって、「よさを認め、ほめ、伸ばす」ことを基本に、生徒指導の三機能である「自己決定、自己存在感、共感的人間関係」に関わる指導を9年間行うことで、やる気を育てています。どんな場面で自己決定の場を設定するかなど、生徒指導の継続を考える上でも、系統表の活用が欠かせません。
 年度末の標準学力検査の結果をここ数年で比較すると、着実に学力の伸びが確認できます。特に中学生の力が伸びてきたことは、学びの連続性を意識した指導と生徒指導の継続の成果が表れてきたと考えています。また、小学校においては、高学年における教科担任制の成果が結果として表れています。
 小中一貫教育を進める上で、校区内の学校が結びつくという事は、学年部会や教科部会などの組織が大きくなるという面もあります。したがって校内研修やカリキュラムの作成を進める上で、効率的に行えることも分かってきました。今後も更なる業務改善につながることを期待しています。
 次に、藤岡市の教育の2つ目の柱ですが、コミュニティ・スクールの推進です。これは、市内すべての学校が、地域の人々と目標を共有した上で、地域と一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校」を目指すというものです。具体的には、校長の経営方針を基に学校課題の解決に向けて協議する学校運営協議会を設置し、そこで話し合われたことを基に協働して子供を育てる仕組みを持った学校です。
 もともと藤岡市ではどの学校も、地域と深く関わり合いながら、教育を進めてきました。このところ、高山社学、ふるさと藤岡郷土研究と理科自由研究の発表会である藤岡教育フェスタ、職場体験学習のチャレンジウィーク、いじめ問題解決に向けた取組などについて、地域人材の活用、地域を教材とした学習の充実、地域と連携した教育活動の充実、地域行事への参加、地域への情報発信と地域の声の収集などを基にしてこうした教育活動を展開してきました。これからも、特別なことをするのではなく、これまでの実績を基に教育効果を一番に考えるとともに、持続可能な取組を行ってほしいと思います。
 なお、コミュニティ・スクールと小中一貫教育は極めて親和性の高い取組です。地域という空間的なつながりと9年間という時間的なつながりを大切にして子供たちを育てたいという願いがあります。コミュニティ・スクールは体制であり小中一貫教育はその中で行われる教育そのものと考えています。藤岡市では、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育に取り組んでいきたい、そのためにも学校運営協議会は中学校区で一つ、ということでお願いしたいと考えています。
 終わりになりますが、教職は子供一人一人の人生を決定する可能性のある崇高な営みです。子供たち一人一人が自分は多くの人から愛されているということを知れば、必ず笑顔とやる気と希望へとつながります。それが教育の原点だと思っています。学校のすべての教職員がつながりを大切にし、笑顔とやる気と希望をいっぱいにして、子供たちとともに充実した学校生活を送ってほしいと思います。ここにいる皆さんは、今日から新しい職場となります。通勤もなれない道かと思います。健康や交通事故にくれぐれも気を付けて職務を遂行することをお願いして平成30年度のスタートにあたってのことばといたします。

平成30年4月2日

藤岡市教育委員会教育長  田中 政文