校区の世界遺産「高山社跡」
ふるさと藤岡が、生糸をとおして日本と世界の一時代を築き、彩りました。高山社はその象徴として今に姿をとどめます。本校校区にある、誇るべき遺産を紹介します。
奈良・京都の寺社と肩を並べる、「世界文化遺産」に登録!
登録決定を伝える上毛新聞号外(2014.6.21) |
平成26年6月21日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録を正式に決定しました。近代産業遺産は初めてで、明治期の高い技術革新が世界に認められたことになります。
本校から高山社跡までの地図 |
登録に至るまで(決定)
「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、本校区にある、養蚕技術の教育機関「高山社跡(たかやましゃあと)」と、富岡製糸場(1872年設立)の他に、2つの養蚕関連施設で構成されています。(近代養蚕農家の原型である「田島弥平(たじま・やへい)旧宅(きゅうたく)(伊勢崎市)」と岩の隙間から吹く冷風を利用して蚕の卵を貯蔵した「荒船風穴(あらふねふうけつ)(下仁田町)」)
文化庁によると、世界遺産委員会では「和洋折衷という日本特有の産業建築様式の卓越した事例」などと評価する決議が採択され、登録が決まったとのことです。今回の登録決定で、日本の世界遺産は文化遺産が14件、自然遺産が4件となりました。
「富岡製糸場」は、製糸技術の遺産、「高山社」は、養蚕技術の開発・普及の遺産と区分できます。良質な繭を安定的に供給し、当時の製糸業を支えたことに、高山社の価値があります。(図は上毛新聞号外記事より。2014.6.21) |
その価値を直に知ろうと、職員全員で高山社跡の見学を行い、研修しました。
登録に至るまで(ICOMOS勧告)
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)は、平成26年4月25日、「養蚕と日本の生糸産業の革新に決定的な役割を果たし、日本が近代工業化世界に仲間入りする鍵となったと同時に、世界の絹産業の発展に重要な役割を果たした」として「富岡製糸場と絹産業遺産群」の、世界文化遺産への登録勧告。 世界遺産委員会(6月カタール・ドーハ)で登録が決まれば、国内で18件目の世界遺産となる。 遺産候補は、「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4段階で評価されるが、「パーフェクトに近い評価」(文化庁)として、富岡には「登録」が勧告された。 資産の特徴を整理すると、以下の通りとなる。 1.富岡製糸場(富岡市) 1872年に明治政府が設立した官営の製糸場で、国内の養蚕・製糸業を世界トップレベルに引き上げた。 2.田島弥平旧宅(伊勢崎市) 近代養蚕農家の原型。 3.高山社跡(藤岡市) 良質な生糸の大量生産につながる、養蚕法を開発すると同時に、教育機関としてその養蚕技術の普及に努めた。 4.荒船風穴(下仁田町) 蚕の卵の保存。 いずれも、海外から導入した技術を高度化し、世界の絹産業の発展につなげたとの評価が高い。近代以降に建造された産業施設では、国内から初めて推薦された。
群馬の生糸と絹は、世界が求め、明治の日本を支えた
登録に至るまで(推薦)
日本政府は、2012年8月23日、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産への推薦を正式に決定しました。校区にある国指定史跡「高山社」もその中に含まれます。2013年2月までに推薦書を提出、2014年のユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が決まります。
世界遺産推薦を伝える、上毛新聞号外。 |
高山社跡に掲げられた他の号外。 |
世界遺産リストの絹産業遺産群を広報するポスター |