教育長挨拶

教育長就任の挨拶

 この度、藤岡市教育委員会の教育長に就任いたしました、岸 正博でございます。歴史と文化が息づく藤岡市の教育行政を担うという重責に、身の引き締まる思いでおります。市民の皆様のご期待に応えるべく、誠心誠意、職務に取り組んでまいる所存です。

 私は長きにわたり、藤岡地方ユネスコ協会の会長を務めてまいりました。ユネスコの根底にある精神は、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という憲章の前文に集約されています。この平和のとりでを築くための柱こそが、教育、科学、文化です。

 これは、藤岡市が目指す教育、すなわち子どもたちが自らの可能性を信じ、心豊かに成長できる環境を整えるという目標と深く共鳴しています。特に、ユネスコが世界的に推進しているESD(持続可能な開発のための教育)の考え方は、「ふじおかの教育」の未来を考える上で極めて重要です。

 ESDとは、地球規模の課題を自分ごととして捉え、その解決に向けて主体的に行動できる力を育む教育です。藤岡市の豊かな自然や歴史、地域に根差した産業といった資源を活用し、子どもたちが故郷を深く理解し、その持続的な発展に貢献できるような学びを推進してまいります。地域社会との連携をさらに強化し、学校・家庭・地域が一体となって未来の担い手を育む教育を実現します。

 未来の予測が難しい現代社会において、子どもたちに本当に必要な力とは何でしょうか。それは、変化を恐れず、自ら考え、判断し、行動できる力、そして他者を尊重し、多様な人々と共に生きる力です。

 教育委員会は、この力を育むため、一人ひとりの子どもたちに寄り添ったきめ細やかな指導と、教職員が情熱を持って教育に取り組める環境整備に注力します。子どもたちが夢や目標を持ち、それに向かって挑戦する過程で、失敗を恐れず何度でも立ち上がれる「心の強さ」と、周りの人に感謝できる「豊かな心」を育むことが、私たちの使命です。

 藤岡市のすべての子どもたちが、「藤岡で学んでよかった」と心から思えるよう、そして郷土に誇りを持ち、未来を切り拓く力を持てるよう、全身全霊で教育行政を推進してまいります。

 市民の皆様、保護者の皆様におかれましては、今後とも本市の教育にご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

    

藤岡市教育委員会教育長  岸 正博

※ 令和7年9月定例市議会において同意を得て、9月19日に教育長に任命されました。 任期は、令和7年12月8日までとなります。