学校教育課日誌メニュー

学校教育課日誌

7月31日(木)藤岡算学塾:宇宙の謎に迫る最終日!

公開日
2025/08/05
更新日
2025/08/05

算学塾

 7月31日(木)、「藤岡算学塾」最終日は、京都大学大学院理学研究科の関口仁子教授をお迎えし、「微小な粒子にはたらく力の話」と題した特別講座が行われました。生徒たちは、普段目にすることのないミクロな世界の不思議と、宇宙の壮大な謎に触れる貴重な機会となりました。

 関口教授の講座では、物質を構成する基本要素である粒子、陽子、中性子など、目には見えない原子や原子核の不思議な世界が紹介されました。たとえば、原子を藤岡市の大きさに例えると、原子核はリンゴほどの大きさしかないにもかかわらず、その質量は原子全体の99%を占めるという驚きの事実に、生徒たちは目を輝かせました。

 また、アインシュタインや湯川秀樹といった偉大な科学者たちの理論にも触れ、数学が物理学、ひいては宇宙の謎を解き明かすためにいかに重要であるかを学びました。

 物理学がメインの講義だったため、難しい表情を見せる生徒もいましたが、講座後には「数学はいろいろなことに使えると思った」「数学と物理に関わりがあることを知って、物理もやってみたいなと思った」「物理は苦手だったけど、話を聞いて面白いと感じた。研究所も見学してみたい」といった前向きな感想が寄せられました。

 この4日間の学びの総括として、「この4日間で数学の面白さを知り、嫌いだった分野も好きになりました」「数学は身近で、いろいろなものに使えて楽しいものだと感じました」といった感想もあり、担当者として大変嬉しく思います。さらに、教授からは「大切なことは『どうしてだろう?』と考え、それを突き詰めていくこと。たとえ先人の研究結果と自分の結果が違っても、自分を信じて研究した結果、それが正しかったこともある」と、探求することの重要性と、既成概念にとらわれずに挑戦する大切さを教えていただきました。この言葉は、生徒たちだけでなく、私たち大人にとっても大きな学びとなりました。

 4日間にわたり中学生の学びをサポートしてくれた藤岡中央高校のボランティア生徒の中には、「来年は物理を専攻します」と語る生徒もおり、算学塾が彼らの進路選択にも良い影響を与えたことが伺えました。

 閉校式では教育長から、4日間よく頑張った生徒たちへ労いの言葉が贈られました。「難しいと感じることもあったと思いますが、難しいことにこそ価値があります。運動も負荷がなければ上手にならないのと同じで、頭もまた然りです。日々の小さな積み重ねが未来へつながります。これからも難しい勉強に諦めることなく、笑顔、やる気、希望をもってチャレンジし続けてほしい」と激励の挨拶がありました。

 4日間の講座を終え、生徒たちは、日常のさまざまなところに学校では教わらない数学が潜んでいることを実感したと思います。藤岡市の生徒たちが「笑顔、やる気、希望」に満ち溢れて、これからも数学を楽しく学び続けてくれることを願い、今年度の中学生「藤岡算学塾」は幕を閉じました。

 なお、11月には小学生を対象とした算学塾が開催されますので、小学5・6年生の皆さんはぜひご参加ください。